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稲村月記 vol.17  高瀬がぶん

possible dream 2

「エキセンがトリックな場所」

さて、この光景を見てあなたはどう思いますか?
1、川の合流地点
2、川の分流地点

・・・・というような心理学のテストをしたいわけじゃなく、
してもいいけど答えを知らないのでここではしない。

          2002年8月22日
 

JR藤沢駅から鎌倉に向かう道の途中、境川という川があり、その橋の中央に立つととこんな楽しい光景を目にすることができる。楽しくない? うん、正確に言えば、楽しいというのではなくて、あれ?あれ? という、なんかちょっと心が浮き立つ気分。気持ちが不安定になると言ってもいいのだけれど、それが奇妙に心地よい。これは明らかに川の合流地点に過ぎないのだけれど、風景がほぼシンメトリーになっている点も実にトリッキーだし、特に真ん中に写ってるとんがっているところがたまらなく素敵。ナイフの切っ先を自分の眉間に近づけた時の、前頭葉あたりのあの軽いキリキリ感を覚えてしまうのだ。おそらく「その感覚、わたし苦手」という人もいるに違いないが、ボクはまったく逆で、「ガソリンの臭いはいいにおい」と感ずることとたぶんまったく無関係だとは思うけれど、とにかく、あのとんがってる所の先端に、一度でいいから身を置いてみたい! それがボクの小さな、ほんとうに、力が抜けるほど小さな、夢(再)。、、、、、うん、じゃーさっそく置いてみよー!

というわけで、ぐるっと回って魅惑の三角地点にやってきてみました。
そうかこうなってるのか。
とりあえずこの二等辺三角形の部分は使いようがないので、
草花を植えてちょっと公園化してみたというわけだ。でも無駄だったんだね・・・・。

さて堤防の縁に乗り前方を見下ろすと・・・・おお、いいねいいね、ちょっと降りてみよ。

上を眺めると、これまたよいよい。
なんかコンコルドの鼻先みたいでカッコいいし、芸術的造形と言っちゃおう。

そしてこれがあの夢にまで見た先っぽ!


で、、立ってみました! いやぁ、なかなかいい気分。左右の足元の空間がなくていきなり川なもんだから、目を細めると、左右の視界に川の流れだけが入って来て、まるで自分が川のどまんなかに浮かんでいるような感覚に襲われる。試しに両手を高く広く掲げてみると、あら不思議、タイタニックのあの場面を彷彿させたりするではないか。
というわけで、極めて簡単に叶ってしまう夢は終わってしまったけれど、ボクと同じように、わざわざここに来て立ってみたという人も過去に大勢いたに違いないと確信した。
馬鹿げてはいるんだけれど、ちょっとソレやってみたいという微冒険家は、この世にたくさんいるのだから。
あそうだ、いつかここで誰かと待ち合わせしたら面白いかも・・・・意外だろうなぁ、その相手にとって。


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