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稲村月記 vol.29   高瀬がぶん

そういうことなのだ図鑑


分別盛りのくせに文字通り分別のないボクはゴミの分別もからっきし苦手で、燃えるゴミの日に出しちゃいけないだろうと思われるちょっとしたゴミなどは、燃えるゴミの入ったビニール袋の中の紙袋ゴミの中にこっそり忍び込ませたりして、という小細工をほどこしている。ま、そんなことはどうでもいいんですが、そのゴミを集めにやって来るのは「ゴミの収集日」。その「収集」という意味は辞書によれば、切手の収集とかの意味とは別に、単に「寄せ集めること」となっている。あっちこっちに散らかってるものをガサッと集める、というイメージ。
で、ここで問題です。
郵便屋さんが街中のポストから郵便物を集める行為をなんて言うでしょうか?


さー、考える間もなくさっそく答えです。
「取集」と言うんですね、といってもボクも知っていたわけじゃなく、何の気なしに見たらそうなっていて、「えー、そうだったんだ」と、ちょっと驚いた。だって、聞いたことも口にしたこともないような言葉だもの。イメージとしては、ゴミとは違って、ポストという入れ物の中から取り出して集める、ということなのかもしれない。街のあっちこっちに散らかっているように置いてあるポスト自体を集めるわけじゃないからね。もしこっそりそれをやると、それこそ、「えー、趣味ですか? ポストの収集です」ということになる。
樫村論文には普通の辞書には載ってないようなむずい言葉もよくあるけど、ちなみに、この「取集」という言葉も新辞林という辞書には載ってなかった。んー、郵便哲学用語なんだな、きっと。

       
 

鎌倉駅西口にあるコインロッカーですが、といって別にどこのコインロッカーでもいいんですけど(たぶん)、その注意書きには色んなことが書いてあって面白い。ずっと前に、「…の場合には中の荷物の保管責任はとれません」、というようなことが書かれた項目の中に「戦争」というのがあって、83へ〜ぐらいへ〜と驚き、この場合の仮想敵国はどこなんだろうか? と思ったものだ。
さしずめ、今なら、「北朝鮮が戦争を仕掛けて来た場合、当方は中の荷物の保管責任はとれません」とでも書いてあるのかと思い(思うか!)、行って見てみると、「戦争」という項目そのものなかったのでちょっとガッカリした。
一方「貸ロッカーに収容できないもの」という項目もあって、これもかなり笑える。でも、正確に言えば「収容しちゃいけないもの」であって「収容できないもの」ではないな。だって「現金」とか「盗品その他犯罪によって得られたもの」とか、いくらでも入れられるし、ま容積的に限度はあるけど、だいたい無茶言うよな、盗品に「これは盗品です」とかいう断り書きが入ってるわけじゃないんだから、いったいあんたらはどうやって見分けるんだよ。
でもね、「…できないもの」と断言する傲慢な態度が気に入らない。その言いっぷりはまるで「神」のようじゃないか。
本当の意味で「収容できないもの」というのは、「言魂」とか「クジラまるごと一頭(手乗りクジラを除く)」とか、そういうものなわけです。
だから、「ふん、できるもんね!」と鼻で笑って、例えばボクが赤丸をつけた7番の「死体」だって、大きいのはちゃんと折り曲げて、入れることもできるのさ。
     
  



だいぶ前の話だけど…、鎌倉の御成通りにある「ニュー松屋」というパチンコ屋のおやじがなかなか剛の者で、
パチンコしてて三箱ほど積むともう嫌〜な顔をして周りをうろつき始め、そのうち、「ちょっとすみません」と声をかけるから何かと思ったら、片手にトンカチ持ってて、ボクが打ってる台のガラスを開けて、釘を叩こうとするではないか! 「おいおいおいおい! ひとが打ってる最中に釘調整する店なんかどこにもねぇーぞ!」と猛烈に抗議して、ようやくその暴挙を止めることができたのだが、それにしてもしぶとい男だぜい。
その店の常連というほどではないのだが、時々、見るからに小学生(よくて中学一年生)のボーズがひとりでパチンコやりに来てて、おやじはその姿を横目で眺めながら別に注意するわけでもなく店内を歩き回っているんだけれど、そのうちそのボーズが大当たり〜!! するとおやじ、つかつかとやってきて、いきなりボーズの台のガラスを開け、電源をブチッ! そして、「あのね、子供はパチンコしちゃいけないの、だからこの玉は景品に換えてやるからもう帰んなさい」。ひで〜!、電源を切らなきゃ今出てる分のあと5倍くらいは軽く出るのに、おやじぃ! 注意するなら大当たりする前にしろ!!
と、ここまでは昔話。
子供はパチンコしちゃいけないのはもちろん今もその通りだが、それを知らないで台に座った子供のために、時折放送でもその旨を告げているわけだけど、注意書きだってちゃんとある!!
ほらここに…って、、ずいぶん小せぇんじゃねぇか!!!



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