98年の獅子座流星群がやって来たのあの晩、
結局僕には滝のような流れ星を見ることは出来ませんでした。
でもそのかわりに、やけにハッキリとした夢をみました。

『起きて見るともう朝。
そして晴れ渡ったピーカンの青空。しまった、寝過ごした。
ところがベランダに出て空に眼をやると東のある一点から生き物のようにからみ合い、
太陽より眩しい光をそれぞれが放ち、
互いに斬り揉みながら四方へと散らばる流れ星たちがバリバリと音をたててつぎつぎと現われては空(くう)に消えてゆく。
「やった!凄いぞ、凄いのを見たぞ。」
ベランダの隣の風呂に入っている親父に大声で知らせると、
5階の風呂場の窓から身を乗り出してそれを見ようとした親父は、
手を滑らせて素っ裸のまま落ちてしまい窓の手すりにしがみついている。
そいつを引っ張りあげて助け出すうち、あっという間にそれは跡形もなく終わってしまう。
朝飯を食べたあと、さっきの出来事を思い出しながら、
どう話せばあの状景が皆に伝わるのだろうかと考えながら煙草に火を着けて、
またベランダに出て外の景色を見ると今度は
(流れ星の風圧で汚れた大気が追いやられて空気の透明度があがったおかげで)
はるか彼方の山々や河や湖や森や、はたまた海までもが(世界のすべてが)、
ここ(家のベランダ)から見渡せるようになっていた。』

と、その日のメモに書いてあります。
流れ星の状景もさる事ながらラストの風景などは、
オールカラー総天然色で凄いリアルな大パノラマが展開されており、
でも到底言葉で説明なんてできないだろうな、と思う代物でした。

そういえば、その一月程前に仕事で東京から名古屋へ向かう東名道の車の中から
『辺り一面真っ赤な夕焼けの陽が
沈もうとしているその向うから一筋の光線、
しかもその中だけはなぜか青空』
という不思議な風景に出くわしました。
この夢から目がさめた時に何故かその時のその風景のことを思い出していました。
 


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